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2025.02.01
ポリスルフィドによるSestrin2活性化機構を明らかにした研究がRedox Biology誌に掲載されました。
これまでの当研究室の研究から、ポリスルフィドやパースルフィドは酸化ストレスやカルボニルストレスから神経細胞を保護することが分かっています。一方で、小胞体ストレスに対するポリスルフィドの役割は明らかではありませんでした。本研究では、小胞体ストレスに応答して活性化するUPR(unfolded protein response)経路のセンサータンパク質が、そのシステイン残基の過硫化に伴って活性化され、その後Sestrin2タンパク質の発現が誘導されることで、神経細胞をジカルボニル化合物誘導性の細胞障害から保護することを明らかにしました。本研究において、ポリスルフィドを介したUPR経路の活性化機構とその細胞保護的な役割が明らかになったことで、カルボニルストレスや小胞体ストレスが関与する疾患の新たな発症機序の解明が期待されます。
S. Koike et al. Redox Biology https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2213231724004282